家出少年9
汽車が北見を出て30分過ぎまして、まだなんだかんだと話しています。
のり「俺の姉が今年卒業したんだけどな」
H 「ああ、知ってる か〇〇〇な」
のり「3年の時姉のクラスにちょっと凄い人がいたんだって」
H 「何が凄いのよ」
のり「その人じ○〇〇って言うんだけど、親父さんがこれもんなんだって」
と、指で頬の斜め上からスッと線を引いて、や〇〇を表した
のり「ある時、授業中に廊下をバタバタバタと走った先生が来て
ガラッと戸を開けてこう言ったそうな」
じ○〇〇!!お前の親父が今警察に追われてるから急いで帰れ!!だって!
H 「オオッ!!何て事だ!映画みたいやない無いかい!!」
のり「」だべ!!(だろう)」
H 「それからどした」
のり「何でも、親父さんは無事逃げて、半年行方不明だったんだって
その後知らん顔してソッと帰って来たんだって」
H「知らん顔って言っても、警察に追われたんだべ!只じゃすまんべさ」
のり「何か知らんけど、もうすでに解決されてたみたいで
親父さんに罪はなかったんだって!」
H 「まぁこの時代結構適当ってか、セキュリティも甘いからな
学校の近くにあるタバコ屋さんあるべ。そこに置いてある
公衆電話な、上部が斜めになっているやつ。あれ10円あれば
東京でも大阪でも只で掛けられるんだってよ
10円入れて相手に掛けて、相手が出た瞬間に電話を倒すんだって
そしたら、電話は横になっているから10円は落ちずに、でも
相手とは会話で来てるし、そして会話が終わり電話を元に戻せば
10円が戻って来て、結局只で電話かけられるんだって 知らんけど」
のり「いやはや、何だか適当な時代だな!以前に学校のグランドで
全日本プロレスが来て、大きいテント張って、出入り口は一つで
そこでお金払って入るんだけど、お金のないのは、テントの下が
ちょっと空いてる所から、頭から入らす、尻の方から入るんだって
そしたら、中の警備員がそれを見て こらっ!そこから出たら駄目だぞ
ちゃんとした所から出てけ!って言って入れてくれたとさ」
H 「おおっ!何てグッドアイデアなんだ 結構悪知恵働くのいるな
俺たちは違うけど」
のり「んだんだ 俺たちは真面目な学生だからな」
何やかんや車内でしょうもない話をしているうちに。遠軽駅に着きました。
汽車を降りた二人は、まず駅構内でこれからの行動について話し合いました。